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へるす出版「小児看護」2026年4月号に「プレパレーションを科学する:感性デザインの視点から」を寄稿しました。
プレパレーションは「わかりやすい説明」や「親しみやすい教材」と結びつけて理解されてきた経緯があります。しかし、子どもの視線が保護者から離れず、応答潜時が延長しているなら、どれほど緻密な説明も機能していません。情報提示の操作だけでは、安全感と応答性という主要アウトカムの改善は観察されないからです。
本稿では、感性デザイン学の立場から6つの考え方を提示しました。プレパレーションの本質を問い直すこと、海外資格の導入を絶対化しないこと、保護者が力を発揮できる条件を整えること、感性評価ツールと家族関係の可視化(GenEco)を組にすること、インテロセプションと共感のずれを扱うこと、そしてTTWを用いた振り返りによる差分の学習資源化です。
一貫して問うているのは、何を伝えたかではなく、子どもが示す反応を観察指標として評価し、その条件を設計し直すという視点です。手作りツールの臨床知を否定するのではなく、「観察→1要素の調整→再観察→記録」の循環で再現可能な知へ変える道筋を示しました。
プレパレーションを「説明」に還元せず、子どもと保護者が安全だと感じる関係を保つための設計として再定義する——その具体的な枠組みを論じています。